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HOME > 企業法務Q&A集 > 「事業再生・破産」のQ&A > 破産とはどのような制度ですか?
Q1破産とはどのような制度ですか?
A1破産とは,個人や会社等の法人の財産状態が悪化し,その総財産をもって債務総額を完済できない状態に陥った場合に,債務者の総財産を現金化し,債権者に公平に弁済,清算するために,破産法で定められている制度です。
破産は,任意整理や民事再生等による法人の存続や再建がどうしてもできない場合の最終手段といえます。
個人破産と比較した場合,法人破産の特徴として以下のようなものが挙げられます。
個人の破産も法人の破産も,裁判所に破産申立てを行うという点は共通しています。
しかしながら,個人破産の場合,破産後もその個人が存続するのに対し,法人破産の場合,破産手続後に法人格は消滅するため,滞納税金等を含めたすべての債務も消滅します。
したがって,個人破産の場合は,その個人の破産後の生活を考慮し,借金等の支払い債務を免除する免責制度等が設けられているのに対し,法人破産の場合,「免責」という概念がありません。
また,法人の場合,利害関係者が多いことから,個人破産の手続きに比べて複雑な手続対応が必要となります。
破産手続において,破産者に代わって破産者の財産を管理し,これを処分し,債権者へ弁済する権利を有する者を,「破産管財人」といいます。裁判所は,破産手続開始の決定と同時に,破産管財人を選任し,通常は,弁護士が選任されることになります。
個人の自己破産の場合は,破産管財人が選任されないケースもありますが,法人破産では,審査や手続が厳格かつ複雑となる場合が多いことから,必ず破産管財人が選任され,管財事件となります。
管財事件になるということは,破産管財人によって,破産者の財産が調査・管理・処分されるということを意味します。
法人破産の場合,利害関係者が多いことから,債権者に破産情報が漏れた場合,債権者が債権回収や商品の持ち出しのために現場に押し寄せたり,従業員が混乱に陥ったりする可能性があります。
このような混乱を回避するために,破産情報が関係者に知られないよう,法人破産の場合は特に慎重かつ迅速に破産申立ての手続を進める必要があります。