FOR THE CLIENT
虎ノ門ならではのリーガルサービスを静岡から
虎ノ門ならではのリーガルサービスを静岡から
HOME > 企業法務Q&A集 > 「事業再生・破産」のQ&A > 民事再生とはどのような制度ですか?
Q5民事再生とはどのような制度ですか?
A5民事再生は,企業の資金繰りが悪化し,債務超過等の窮地にある場合に,裁判所の関与の下で,法人の再建を図ることを目的とした手続です。
民事再生のメリットは,企業の今後の事業計画や弁済計画を裁判所に提出し,債権者の同意を得られれば,債務の大幅に圧縮することができる点です。
債権者全員の合意を必要とする私的整理と異なり,民事再生は,債権者集会に出席した債権者の過半数の賛成,かつ,議決権総額の2分の1以上の議決権者の賛成を得ることができれば,再生計画案が可決され,再生計画案に反対した再生債権者に対する債務を含め,債務を圧縮することができます。
また,民事再生の申立と同時に,「弁済禁止の保全処分」の申立も行うケースが一般的です。この申立を行い,弁済禁止の保全処分が発令されると,民事再生の申立の前日までに発生した債務について,弁済が一時的に禁止されるため,手形の不渡りや債権の取立てなどによって手持ちの資金が減ることを防ぐことができます。
第三に,民事再生の場合,計画通りに再建を図ることができれば,原則として現経営陣の退陣は求められないため,以前と変わらない形で経営を続けることができます。(会社更生の場合,原則として経営権や財産の管理・処分権は裁判所によって選任された管財人に移ることとなり,現経営陣は退陣を求められます。)
民事再生のデメリットとしては,裁判所を介する手続であるため,裁判所納める予納金が発生する点が挙げられます。予納金の額は,債務額に応じて設定されていますが,最低でも200万円を納めることとなっています。
また,民事再生は再生型の手続ではありますが,倒産に近い印象を与え,社会的信用性の失墜などを招くおそれがあります。
そのほか,民事再生は再生計画が可決・認可されない場合には破産手続に移行することになります。
民事再生手続には,メリットが多くありますが,安易に選択したことにより破産せざるを得なくなるという危険な側面を有するため,専門家である弁護士と十分協議・検討した上で,取り組んでいただくことをお勧めいたします。