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労基署対応

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労基署対応

目次

  1. はじめに
  2. 定期監督対応
    2-1. 労働基準監督署(労基署)とは
    2-2. 定期監督とは
    2-3. 定期監督の流れ
    2-4. 定期監督は拒否できるのか
  3. 申告監督対応
    3-1. 申告監督とは
    3-2. 申告監督の流れ
  4. おわりに

1. はじめに

「ある日突然,労働基準監督署(労基署)の立ち入り調査が入ることになった」

「労基署から是正勧告書が交付された」

労基署の突然の立ち入り調査や,是正勧告書の交付を受け,どう対処したらよいかわからないという方や,そもそも労基署とはどのような機関なのかよくわからない,という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ここでは,労基署とはどのような機関で,どのような業務を行っているのか,また,企業の労基署対応の留意点などについて,解説します。

2. 定期監督対応

2-1. 労働基準監督署(労基署)とは

労働基準監督署(労基署)とは,労働基準法等,労働者保護のための関係法令の遵守の徹底を図るため,管轄内の企業を監督するために設置されている厚生労働省の出先機関です。

労基署に配置される労働基準監督官は,管轄内の事業所が労働基準法等に違反していないかを調査するために,事業場に立ち入ることや,事業場の帳簿書類を確認し,使用者や労働者に対して尋問したりする権限を持っています。

更に,上記のほか,労働基準監督官は司法警察員としての権限を有しており,労働関係法令違反等の罪に関して,逮捕,差押え,捜査,検証,送検等をすることができます。

2-2. 定期監督とは

定期監督とは,労基署の立入調査(臨検監督)のうち,計画的に行われるものであり,年間の監督計画に基づき,労基署が任意に選定した事業所を対象とし,労務管理や安全衛生状況が法令違反に該当しないか調査をするというものです。

2-3. 定期監督の流れ

当該年度の監督計画に基づき,調査対象とする事業場を決定します。

定期監督の場合,事前に文書や電話による通知があり,企業と労基署間で日程調整が行われるケースもありますが,事前通知なく,突然事業場に訪問してくるケースもあります。

実際の調査では,一般的に以下の書類の点検や,事業場の使用者や労働者からの聞き取りによって,法令違反がないかどうかの調査が行われます。

・会社の組織図
・労働者名簿
・就業規則
・雇用契約書,労働条件通知書
・賃金台帳,タイムカード
・時間外・休日労働に関する協定届
・変形労働時間制など,当該企業で必要となる労使協定
・健康診断の実施結果
・有給休暇の取得状況の管理簿
・総括安全衛生管理者,安全管理者,衛生管理者の選任状況のわかる資料
・産業医の選任状況のわかる資料

定期監督によって,改善すべき点や法令違反が見つかった場合は,企業に対して指導や是正勧告が出されることになります。

2-4. 定期監督は拒否できるのか

労基署による定期監督は,労働基準法や労働安全衛生法に基づいて行われる法律上の調査であるため,これを拒否することはできません

調査を拒んだり,虚偽の陳述や報告をしたりした場合,30万円以下の罰金を科せられることがあります。

3. 申告監督対応

3-1. 申告監督とは

申告監督とは,労基署が実施する臨検監督のうち,労働基準監督官が申告者から特定の事業場に対する労基法違反等の相談や申告を受けて,その申告内容を確認するために行う調査です。

事業場で実際に働いている労働者が申告者となるケースや,退職した労働者が申告者となるケースがあります。

3-2. 申告監督の流れ

未払賃金,不当解雇,長時間労働,パワハラ等の労働問題について,労働者が労基署に所在する総合労働相談コーナーへ相談や申告をすることが,申告監督のきっかけとなります。

労基署は,このような相談や申告を受け,根拠となる資料を基に,法令違反があるかどうか調査を行います。

法令違反が疑われる場合には,事業場に立ち入り調査を実施することになります。

定期監督と同様,事前予告のあるケースとないケースがありますが,定期監督と比較し,抜き打ち調査となる可能性が高くなります。

申告監督では,労働者からの申告であることを明かし,呼出状を送付して事業主を呼び出して調査をするケースと,労働者を保護するため労働者による申告であることを明かさず,定期監督と同様に調査するケースがあります。

申告者からの申告内容についての確認だけではなく,法令全般に渡る調査が行われるため,申告内容以外に法令違反が判明した場合,是正勧告を受けることになります。

調査の結果,法令違反が見つかった場合には,行政指導や是正勧告が行われます。

また,申告監督では,監督官から申告者に対して,調査結果の報告がされます。

4. おわりに

調査によって労働基準関係法令違反が発覚した場合,場合によっては社名が公表されることもあり,企業の信用を失うリスクや,労働者に不信感を与えるリスクなど,その代償ははかりしれません。

労基署の対応は,付け焼刃の対策ではなく,調査対象となるような事項について,日ごろから適切な労務管理を行い,法令違反がない状態にしておくことがとても重要です。

労基署対応について不安やお悩みがある場合は,当事務所までご相談ください。